1







上司の従妹である流依と18年後と呼ばれている世界に来てから気付いたことだ。
時折、はまるで何処かに思いを馳せる様に視線を彼方に向ける。

あぁ、とは心の中で息を漏らす。
彼女の瞳の中に上司と同じ色が宿っている事に気付いたから

あれは

叶えたかった

けれど

叶えられなかった者特有の

いろ





知らないわけがない

気付かないわけがない

よく、知っている

上司に紹介される以前から
彼女は上司と同じで、一人で抱え込む性質だという事も
よく、知っているのだ。




「そしてそれを自分のエゴだとわかっていても行いたいと思うのはいけない事なのかねぇ…」
「……ごめん、。話が全く見えない」
困った顔をするに気にするなと頭を軽く叩く。



出来ることなら、引き合わせたい。




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2

――、願って、しまうのですよ。



「どうしても、願っちまうんだ」
とつ、と呟かれた言葉に皆が振り向く。
、何が?」
リアラの問いには一瞬きょとんとし、あー口に出してたか。と頬をかいた。
「すまん。ただの独り言」
「へぇ。で、何を願ってるんだ?」
ロニが聞いてくる。カイルも同様らしい。ジューダスは視線は向けず耳をすましており、 は首をかしげている。
「んー大した事じゃないんだけどな?ただ、
せめて内側だけでも、幸せになってほしいと。
叶うことはないのもあると知っていても、道を模索するように」


これ以上傷つかないように

泣かないように

どうか、どうか、

幸せを、と。




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3

同じ魂なのに

同じ人なのに

どうして、こうも…



「ツバサ的世界なんだろうねー」
「だよなぁ」
に抱きつかれながらはうめく。
「こっちはツンツンだったのにあっちはツンよりデレの方が比重が大きいという…この差はいったい」
「…なあ。もしがこっちの後にあっちに行ってたらそんでも好きになったか?」
「……どうだろう。でも、うん。別人としか見れない気がする」
「そか。そんだけこっちが好きなんだなーお前」
「そういうことをさらっと言わないでよ恥ずかしいな!」
「…お前たち何の会話をしているんだ」

『…………』

「…何だ?」
「……ううん。なんでもない」
「そーだな。ジューダスは気にしちゃいけないことだ」
「?」
知らぬは本人ばかり





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