「あら、リヴェンツェル」

「…か」



奇遇ねー。と言いながらは駆け寄る。

「ミリアの所に?」

「あぁ、煙薬草(スモ−ク)を貰いにな」

「ふぅん…そういえば最近量増やしてるでしょう。チェスが心配してたわよ?」

あいつは…と眉を寄せるクォルファに苦笑をもらす。

「――私も、心配してるのよ?」

これでもね。と前を見ながら紡ぐ。

「無駄な心配だな」

「そう、かもしれないわ。けれど、だからこそ―――」

俯きがちだった顔を上げて斜め上に向かってにっこりにっこりと笑みを向けてみた。

「だから、急に私達の目の前から消えていかないでね?」


先程とは打って変わり、いつもの様に言うと呆れと笑いの含まれた声で返された。

「それはお前のほうじゃないのか」

「あら心外。人を人外の様に言わないでくれる?」

「…そこまでは言ってないだろう」

悲しいわーと泣く真似をして見せたら目頭を押さえてため息をつかれた。思わず笑いを零す。




「リヴェンツエル」

「今度はなんだ?」


「私、リヴェンツェルの事好きよ」




瞳を丸くするクォルファににっこりと綺麗に微笑み、それじゃあ私は此処で。と呆然としている彼が声をかけないうちに曲がり角を曲がってその場から離れた。
ある程度離れた後、は先程の表情を思い出しくすりと笑う。





その顔が見たくてやったのだと言ったら、貴方は怒るかしら?










その顔が堪らない






「……あの馬鹿」



呟いた言葉は、彼女に届くことは無いけれど











[リライト] 物騒美人五題よりお借りしました。前回と同じ設定。友情か恋愛かはお好きにとってくださいな。…にしても毎回毎回名前変換少ないなぁ…。

08/10/26