「よお

「久しぶりだね」

「イサザもギンコもな」

馴染みの人物等を見つけ、は軽く手をふった。









-夜桜-







季節は春。
蟲師とワタリの間で行われる講はいつも不定期だ。


「光脈筋は定まったのか」

「もちろん」

「で、こーして桜見て楽しんでるわけだ」

「お前はどちらかというと酒だろうが」

違いねぇ。と他の蟲師達がどっと笑う。


は相変わらずだね」

「イサザもな」

お互い顔を見合わせふっと笑う。
その様子を見ていて何となく面白くないギンコ。








「そういや。お前、蟲煙草持ってるか?」

話を変えをこちらにむかせる。

「ん?ああ。あることにはあるが…余りないぞ?」

「かまわん。ちょうど、尽きかけててな」

「…何なら蔵に来るか?」

「蔵ってあれか?」

「ああ、ここからなら近いし」

師が作った調書もあるしな。とが言う。
そのやり取りを見てイサザが可笑しそうに笑う。

「イサザ?」

「いや、気にするな」

はて、と首を傾げると、意図に気付いて軽く睨むギンコ。
それを見てイサザはますます笑った。










いつものように、光脈から光酒を分けてもらい、他の皆は思い思いに談笑し始めた。
まるで宴のように。
その様子を、少し離れた場所で酒を飲みながらギンコ達と共に眺める。





「にしても…此処の桜は凄いな」

窒息してしまいそうだとが笑う。
頭上の桜は満開に咲き誇り、ゆらゆらと花が舞っている。

「光脈が通っているからだろうね」

「けど、そうそう見れるもんじゃねぇな。これは」

蟲煙草を燻らせギンコが言った。

「本当に、な」
























--後書き--


不発弾投下(するな)いつものことですけど。
久しぶりだったので上手くできませんでした。尻切れトンボだ。うう…
桜は好きですねー特に夜ライトアップされると。
ちなみに夢主の師匠はあんまり話には関係ないです(苦笑)