「あれ、雲雀くん。君がこの時間に来るの珍しいねー」

いつも応接室なのにと言うと関係ないだろと返された。午後の休み時間だし、あと1限が終われば放課後なのにいつも生徒達の喧騒があるはずなのに無い。いや、原因は目の前にいるこの人のせいなんだけどさ。
「……群れてる」
「…………うん。まあ教室だし人が多いのは仕方ないと思うよ(流石に騒ぎは起こさないよねきっと…………うんきっと)」
隅に固まって停止している生徒達を睨み据えている為、教室の中も廊下も静まりかえってる。とりあえず、何をしにきたか聞いてみることにした。
「それで、どうしたの?」
こてんと首を傾げればにとって聞き捨てならない言葉を言われた。
「さっき言い忘れたから。今から外行ってくるからいつもの仕事終わらせておきなよ」
「…………………………はい?」

ちょっとまて どーゆう意味だそれは。

「鬼…!あの高積みのをやれと!?」
「他に何があるのさ。は書記だろ」
「書記で君の補佐なんて役職いらんかったわー!勝手に知らぬ間に決められたら普通誰だって怒鳴りたくもなるよ!」
ていうか此処最近多くないか外回り…!
ふるふると肩を震わせていると、それじゃ伝えたから。と学ランを翻して去っていった。

「ちくしょう雲雀くんの馬鹿ー!」
「………それ、言えるのだけだから」
ヒバリ襲来の衝撃から立ち直ったらしい佳奈枝からため息と共にそう言われた。なんで。
少しずつ周りに喧騒が戻ってくる。他の人達は行っちゃったから安堵してるんだろなー。私は逆に疲れた。癒しがほしいよ…。

「? どしたの佳奈枝」
机に伏せっていると、前からの視線が痛いので起き上がって佳奈枝を見たら、それはもう複雑そうな面白そうな、例えるなら玩具を見つけたような……こっちが思わず逃げたくなるほどいい笑顔だった。
「ヒバリ、あんたの事名前で呼ぶようになったんだ?」
「あーうん。そうだね」
つい2週間前の話だ。最初の2、3日は慣れなかった。物凄く違和感だった。慣れってすごいと思う。
「へーふーんほーぉ?」
「……佳奈枝さん、何が言いたいんデスカ」
「他人のって見ていて楽しいよね」
「何が?」
分からなきゃ別に今はいいよ。と微笑いながら頭を撫でられた。


「……佳奈枝さん佳奈枝さん。撫でるのは構わないけどお願いだからそんな生暖かい目で見ないで下さい」
「嫌よ。可愛いもん









イーピンの爆発で被害が出なかったことに深い安堵のため息をついていたツナは、前方に見えた人影に思わず足を止めた。

さん…?)

ぼぅ、と窓の外を彼女は眺めていた。それはいいのだがに違和感を感じたのだ。
声をかけられずその場から動けないでいると、不意にが振り向いた。

「………!」

思わず息をのむ。
夕焼けの色を吸った黒の双眸は、底が見えなく感じた。そして渦巻く様に飲み込む様に昏く冥く深く、何かに渇望する瞳。鋭利な薄氷の刃をあてられた様な感覚に陥る。

2学期始めに遭った風紀委員長と同じ位に(でも……怖く、ない……?)

後にそれは殺気がなかったからだと気付くのだけど。




でもそれは一瞬の事だった。固まっているオレに、かくんと首を傾げられる。
「あれ、どうしたの?」
さん、ですよね…?」
おそるおそる俺が声を出すと、やだなぁとさんが笑った。
その笑い方がいつものさんで、知らず止めていた息をはく。先程の事を告げるとクスリと笑われた。
「そんなに雰囲気、違うようにみえた?」
「あ、あはは、可笑しいですよね。すみません」
「いいよ、気にしていないから。 そっかぁ、まー綱吉クンだもんね」
「え?」
なんでもないよと笑って、「そろそろ戻らなきゃいけないから」と言いながら応接室へ歩きだす。
「それじゃ、またね?」
軽く手を振ってそれに応えて、あれ?と首を傾げる。





「またねって……変なさん(明日も会えるのに…)」


















08/04/19 up