「お前、ファミリーに入らねえか」
え、一難去ってまた一難?
転入手続きも済んで家の中を片付けていたら大事な事を忘れてた。
近所の人々に引越しの挨拶。やっておきなさいよとお姉ちゃんに言われてたのだ(お姉ちゃんの言う事は絶対だから)
で。隣家にやってきたわけなのだけど。
「(ファミリーて…)えっと、君は?」
「オレはリボーン。殺し屋だ」
「………まだ赤ちゃんなのに殺し屋?」
「そうだぞ。」
こくりと頷くリボーンをまじまじと見る。リボーン君が殺し屋なのは驚いた。だって見た所1、2歳前後なんだよ? 普通に話せてるんだよ?どんだけキャリア積んでいるんだよ君は。
もっとも、気配を探れば彼の言っている事は事実だと解るんだけど。(でも普通さらっと言ってもいいのかな?)
まぁとりあえず、リボーンくんの殺し屋云々は横に置いといて。

「…ところで沢田さん家って此処だよね?」
「それがどうかしたか?」
「家の人いるかな?引越しの挨拶したいんだけど−…」
「あーっ!何やってんだよリボーン!!」
「(…いたのか)」
どたばたと玄関から現れたのは私と同じ位の少年。ここの家の人、でリボーン君の…お兄さん。じゃないよね流石に。
「えっと、沢田さん?」
「えっ、あっはい。そうです」
「はじめまして。今度引越してきたです」
あ、俺は沢田綱吉です。ツナでいいですから。と少年が慌てて挨拶を返してくれた。
「ごめんなさいさん。リボーンが迷惑かけたみたいで」
「オレは迷惑なんかかけてねぇぞ」
でいいよ。……リボーンくんてツナ君の弟くん?」
一応、念の為聞いてみる。
「ええっと…イトコで「オレはツナの家庭教師だ」
…うん。見事に意見違うね。そっか家庭教師なんだー……でもなんの?
そう聞くと、リボーンは「ツナをボンゴレ十代目にする為だ」と教えてくれた。…よく分からないけど大変なんだねツナ君も。

「ところで。さっきの話だが」
「さっきの話?」
「あ、うん。いきなりファミリーに入らないかって」
「なっ、リボーン!また何勧誘してんだよお前!」
うーん…。どうもツナ君て小動物な感じがするなぁ。首を傾げる所とかころころ表情を変えるとこが可愛い。弟がいたらこんな感じかも。
「お前にはファミリーが必要だからな」
「だからって一般人のさんを入れなくても…!」
「言っとくがはこう見えても薙刀の使い手だぞ」
「…ぇえっ!」
「そんなに驚く事かなぁ」
あっ、ごめんなさい。と謝られ、いや別にいいんだけどね?と苦笑する。
「(そんな事より…)私はなんでリボーン君が私の家の事知っているのか知りたいんだけど?」
家は薙刀を操る古くから続く武家である。が、そんなに有名だとは思っていない。
閑話休題。

「で、どうするんだ?」
………む。ニヤリと意味深に笑ってリボーン君が話を変えた。
「…ひとまず保留してもいい?」
まだ来たばかりだというのに面倒事は勘弁願いたい。
………もしかしたらもう巻き込まれてるかもしれないけど。私の感は嫌な事ばっか当たるから。
「かまわないぞ」
「ありがと」
とりあえず挨拶もすんだし戻るかな。…あ。
「ツナ君、これからよろしくね!」
「あ、はい。こちらこそ!」