体育祭です。
けど普通中学は運動会じゃないかなーと思ってみたり。前の学校は運動会だったのに。そーいや元気かな幼なじみは。(関係ないか)
「盛り上がってるねー」
「まぁ体育会系の奴ら多いからねーうちは」
隣にいる佳奈枝と応援をしながら会話する。
そういや佳奈枝は写真部だっけ今回は撮るの?と聞くともちろん撮るわよー後での活躍するとこ撮ってあげるから☆と親指立てて宣言された。
ー、そろそろ出番じゃない?」
「え、あ本当だ」
行ってくるねと佳奈枝に手をふっては競技に向かう。
(にしても…借りモノ競争て何持ってくるんだろう)
………なぁんか嫌な予感がするんだよ。気のせいだと思いたいなあ(遠い目)

そんなこんなしていたら私の番になってしまった。
適当に走って自分の分の紙をとる。さーて何持ってくるのかと紙を開くと、

かさり

「……………うわービンゴ」
棒読みになってしまったのは御愛嬌。嫌な予感的中してしまった。
あーどうしようあの人一緒に来てくれるかな。…けど勝ちたいしな。…それにこの後見回り一緒だし。
「………大丈夫だよね、雲雀くん?」
決めてしまえば後は早い。
(とりあえず応接室だよねーいるとしたら)
建物の方に移動しつつ考える。なんにせよ早く見つけなければ。…………いけないんだけども。
思わずは立ち止まる。知らず顔が引きつっている事を指摘してくれる人は此処には居ない。
校舎裏からドカバキボキッと嫌な打撲音が聞こえてくる。あと悲鳴も。そおっと覗くと雲雀くんがトンファーで生徒をぼこぼこにしていた。(痛そうだなあ)

「何はともあれ…応接室に行く手間省けたか…」
雲雀くん、と呼び掛けると全て倒したらしく気だるげにこっちに視線を向けた。
「…、種目は終わったの」
「いえまだ。…えっと、ちょっとお願い、があるんですけ、ど…」
その前にひばりくん目が怖いですええ怖いです。さっさと終わらせなよとか無言のオーラ出さないでお願いだから!(悪いのはコレ書いた人だから!)

「…何」
「あ、うん。と、借りモノ競争で、一緒に来てくれるとうれしいなー…と」
ひらりと紙を見せる。そこには見間違えようなく雲雀恭弥と朱字で書かれていた。血文字みたいでちょっと怖いと思ったのは秘密だ。本当に誰が書いたんだこの指名。
「…」
「…」
「……」
「……(無言が痛い…!)」
同じ敷地内だというのに体育祭の喧騒がひどく遠くに感じてしまう。此処はとても静かだ。まるで此処だけ世界が切り抜かれた様な。
…とか現実逃避してる場合じゃないんだけどさっ(半泣き)


「……別にいいよ」
彼の声に一気に現実に引き戻された。ぱちぱち、と瞬きする。…今なんて言った?
「え…い、いいの?」
「行かないと棄権になるよ」
「あ…う、うん」
すたすたと歩き出した雲雀を慌てて追いかける。

雲雀がグラウンドに出るとまるで水を注したように場が静まりかえる。 (主に生徒達。父母達は相変わらず賑やかだ)…なんか私、意味もなくごめんなさいと平謝りしたくなってきた。

(そういえばよく雲雀くんの名前出せたよなぁ…)

雲雀についていきながらも、ふと疑問に思う。だってそんな事してみればいい。もれなく風紀委員長直々の制裁が待ってる。

(今でさえこの有様だし……)

普通なら恐れ多くて(というか後が怖いから)やる人いないだろう、し………………あ、やばい心当たりあるかもこんな破天荒な事しそうな人。
恐る恐る観客席の方を見遣る。…あ、ビアンキさんだ綺麗だなーいつ見ても。えっと、ビアンキさんがいるという事は多分その辺りに…いた。リボーン君だ。
リボーン君も私の視線に気付いたのかこちらを見て、口の端をくっと持ち上げて笑った。(うわー様になってる)(ていうか確信犯だあの子…!!)


「あ…そういえば、佳奈枝、写真撮ったのかな」
私何にもしてないけど。小さくそうぼやきながら現実逃避することをどうか許してほしい。



















07/05/05
修正日 08/10/4