「そういえばさ、さっきなんか放送流れていた気がするんだけど…あれなに?」 お昼も食べ終わり、入れてもらった紅茶を飲みながら雲雀に尋ねる。(あ、美味しい…) 「…ああ。の所の大将が他クラスの大将を潰してるとか」 「……そ、そうなんだ。(もしかしてリボーン君何か企んで…?)」 ちらりと頭をかすめる。ツナ君が私達の大将なわけだけど、そんな事出来るわけない。(ていうかあの子はそもそもやらない) 「次は…ええと、棒倒しか。(大丈夫かなぁツナ君)」 少しどころかかなり。 (ツナ君風邪ぎみみたいだったし…ああどうしよう。心配になってきた。すごく) はぅ、と小さくため息をつく。ちなみにその様子を雲雀が見てた事は気付かない。 暫くすると放送が聞こえてきた。 『おまたせしました。棒倒しの審議の結果が出ました』 「あ、決まったんだ…って雲雀くん?」 ソファから立ち上がり応接室から出ていく雲雀にどこに行くのかと尋ねる。 すると短く「校庭」と返ってきた。 『各代表の話し合いにより今年の棒倒しはA組対B・C合同チームとします』 「は……え、なん…っ!」 雲雀の言葉とアナウンスの内容に驚いて何も言えないでいると、「此処で安静にしときなよ」と扉を閉める際に告げられた。 「ちょ、待っー……!」 ぱたん 無情にも扉は閉められた。 「校庭って…2クラス対A組て……つか参加しやがるんですか…!」 (A組負ける…!絶対っ!ツナ君ごめんっっっ) 胸の前で十字を切って、は立ち上がる。 「雲雀くんは安静にしてろとか言ってたけど……無理でしょ。普通に」 たかだか足捻っただけ。心配してたかは微妙だけど動けるし。少し位無茶したって大丈夫だと思う。 (バレたらかみ殺されるかもしんないけどっ!) 「B・C連合の総大将誰にする?」 「僕がやるよ」 「ヒバリさん!!」 ざわざわと群れる奴らに声をかけると波の様に人が割れた。それを気にすることなく棒の上に上がっていく。 「向こうの総大将とあいまみえれば赤ん坊に会えるかもしれないからね。…それになんかムカつくし」 最後の呟きは半ば無意識だという事は気付いていない。 落とさないでよ。と眼下に告げ雲雀は向こうの大将に視線を向けた。 「ありゃー……。もうすぐで始まるのかなー?」 「……何やってんの」 「はぇ?あ、佳奈枝ー」 降りるのが面倒なので手摺から飛び降りること数回。ひょこひょことが歩いていると、佳奈枝がこちらに駆け寄ってきた。を見て、足元を見て問う。 「…アンタもしかして怪我でもしてるの?」 運動神経だけがとりえのが。 だけって…それちょっと酷いよ佳奈枝。 「さっき少し捻っただけだよ。それより、雲雀くんて…」 「BC連合軍の上」 「………やっぱしか!」 そうこうするうちに競技が始まる。 数では圧倒的にAの不利だった。(そりゃああっちは2倍の人数だしね) 「あぅ…大丈夫かなぁ」 「…あんたどっち応援してんのさ」 「んー…両方?」 とりあえずどっちも怪我しなきゃいいなぁ。と言うと、阿呆か。ヒバリはともかくうちらの総大将くんは怪我するって間違いなく。と言われた。 「ううぅ…言い返せない」 「ヒバリだしね。仕方ないんじゃん?」 二人でそんなことを言っている間に競技が始まってしまった。 「こりゃまた圧倒的不利だねぇウチの組」 「うわー…頑張ってーツナ君」 「あ、落ちた」 「うわーっ……って人の上を飛び移ってる…?」 佳奈枝の呟きに目を凝らすとぴょんぴょんと跳びはねるツナの姿が。 「…そういえば、地面につかなきゃ平気なんだっけ」 忘れてた。と呆気にとられてるの横で佳奈枝が続ける。 「…あれっていいの?」 「一応。だから騎馬も平気だよ」 「…そう、みたいだね」 佳奈枝の言葉通り、ツナ君達は騎馬をつくり突進していく。もしかしたらこのまま…と淡い期待をしたのだが何かイザコザがあったらしく結局、A組は負けてしまった。 「あー…残念だったね」 「そうねー。てか、戻らなくて平気?」 「……………………あ」 さぁっと思わず血の気が引く。じり、とが一歩後ろに下がると丁度、棒から降りてきた雲雀と目が合った。 「………っ!!」 「…ご愁傷様、」 ぬるい笑みを浮かべた佳奈枝にはそういう事は早く言ってーっ!と心の中で叫んだ。 その後どうなったかはご想像にお任せします(笑) 07/8/17 up 修正日 08/10/4 |