「ふぁ……眠」 そろそろ起きないと家事が溜まるああけど眠い…。 (リボーン君の銃声も聞こえないし、静かだなぁ) くぅ、と伸びをし、ようやく起きたは階段を下りる。 「あー…パン買うの忘れてたんだっけ」 しょうがない。買いに行くか。 簡単に身支度を整えて外に出る。コンビニに行く途中で山本君と獄寺君に会った。 「ありゃ。おはよ二人共」 「げ…」 「さんはよ。どこ行くんすか?」 「コンビニにねー。二人はツナ君家に?」 「そッス」 「そっかぁ。んでいい加減に返事くらいしようね獄寺君?」 「なんで俺が…」 「あはは。…しばくよ?」 「っ、お前あの風紀ヤローに似てきてねえか?」 なんて事言うんだ君は。そんな恐ろしい事、雲雀君の前で言ったら死ぬようなものだよ?此処に彼がいないからいいものの。 「……なんか来そうな気がしてきた。ここらで切り上げようや獄寺君」 「…そーだな」 朝からバイオレンスは勘弁願いたい。だって朝ご飯もまだなのに。 とりあえず二人と別れて、後でツナ君家に行こうかなーと考えながらパンと牛乳を買って来た道を戻る。そしたら黒い影がツナ君家の屋根から飛び降りてきた。 「…あれ、雲雀君?」 なんで君がこんな時間にこんな場所にいるのかな…! ぽつりと呟いた声が届いたのか彼が振り向く。 「なんで雲雀君が朝から此処に−…」 いるの?と問おうとした瞬間、頭上から「果てろ!!」と獄寺君らしき声。そして落ちてくるダイナマイト。 …え。ちょっと待とうよつか周りをよく見てから投げろあんの馬鹿……! 「うわっ……」 爆発する…!と思った瞬間、チャキンッと金属音が聞こえ風の切る音がしたかと思うとダイナマイトは獄寺君の元へリリース。その後間を置かずに爆発音が聞こえ、遅れて熱風がこちらにまで来た。 「(えーと…)雲雀君、ありがとう」 「別に君の為じゃないし」 「まあそうだとは思うけど…でもありがと」 そう返すと彼は無言でトンファーを元に戻した。(一瞬攻撃されるかと思った) 「……それ、何?」 「え?…ああ、朝ご飯の買い出し。………雲雀君はもう食べた?」 あれ、何言ってるんだ私。 「もしよかったら家に来る?紅茶ならだせるけど」 なーんーでーこーんーなー事しーたーのーかーなー私はさ!! キッチンでベーコンをいためながら先程の自分の愚かさを振り返る。 あの雲雀さんを家に招き入れてしまいました。…なんとなくだったんだよ。本当、理由とか無しでするっと口から流れてしまったとゆーか(余計悪い) とうの本人はこっちをじぃっと眺めてるし(心臓に悪いからやめて…!) あ。卵割れた……ああもうスクランブルエッグでいいや。 ちなみに作っているのは私の分だけ。聞いたらいらない。と返って来たから紅茶だけ用意する。 「付き合わせてごめんね」 「……別に」 それぞれのカップに琥珀色の液体を注ぎ込み片方を渡す。いただきまーす。と小さく言ってはむっとトーストを食べ始めた。 あ。卵少し甘すぎたかも。 「ねえ」 「ん…なに?」 一段落して紅茶を飲んでると彼が尋ねてきた。 「なんで僕を家に入れたんだい?」 「なんとなく(あっさり)」 いやだって本当になんとなしにするっと(あ、さっきも言ったか) 「んー…敢えて言うなら寂しかったから…なのかな?」 「なんで疑問形なの」 「や、私も分からないから」 ぱたぱたと手を振りながらも返す。 一人きりのご飯というものは以外と味気ないもので。 たまにツナ君の家にお邪魔させてもらうと、ふ、と込み上げてくる。 …何してるのかなぁ。お姉ちゃんたち。久しぶりに電話しようかな。 「…まあそんな理由です」 「ふぅん」 黙りこくってしまったので時計の音がやけに響いてる。間が痛いなぁと思いながら残りの紅茶を飲んでいると、カタン。と雲雀が席を立つ音がした。 「雲雀君?」 「食べ終わったなら行くよ」 「………何処に?」 「学校」 も用意してと言われ数秒後。なんで私も!?と聞くと、暇なんでしょと返され何も言えなくなった。うわーん休日返上かよ。 「さっさと終わらせたらなんか奢ってあげる」 「(………うん?)」 ふと引っ掛かりを感じてまじまじと雲雀の横顔を見る。 「……何?」 「雲雀君が奢ってくれるなんて…明日は槍が降るわ」 「…そんなにかみ殺されたいの?」 「いやいや滅相もないデス」 思わず後半片言で返すとため息つかれた。 「応接室」 「は?」 「少なくとも、一人にはならないと思うけど」 「………ぁ」 …………この人は。 (雲雀君はこーゆー人だった…) 分かりにくい優しさにやっと気づく。(本当に滅多にない気まぐれだけど)気を使わせちゃったなぁと思わず苦笑してしまった。 「…じゃあまた紅茶、入れるね」 その後、大量の書類の束を見せられやっぱ優しいって思ったの撤回しようと心に誓ったがいたとか。 不器用ながらも優しいと思います彼は。 07/11/2 up |